自分を切り捨てよ
12月20日の夜、自宅にいる。あと10日で2019年が終わる年の瀬。今年は35年の人生史上最大の変化の年だった。サロンを出したということももちろんそうだが、そこに至るまでに巻き起こった一切合切を振り返るとなかなか良い感じで生き抜いたなあと思う。実は今までの人生でただの一度も【独立して自分の好きなようにやりたい!!!】と思ったことはない。これは1ミクロンも思ったことがない。人口が減少して、若い人が減って、美容室は年々増えて、、、という社会状況を見ても、わざわざ飽和状態の美容業界に個人で突っ込んで行くなんてリスクが高すぎると思って生きてきた。今年の7月に35歳になったが、33歳の秋までそう考えていた。でもその冬には【こりゃもう自分でやるしかねえんだな】という出来事があった。その頃には、ありがたいことに、私を支えてくれるパートナーがそばにいたので、自然な流れでその思いに至った。今はその人に出会うために前の会社に入ったと確信している。この人でなければサロン出店など絶対絶対絶対していない。
サロンを出した、ということは誰から見てもわかりやすい変化だが、それと同じくらい大きな変化が沢山あった。人間関係の変化、価値観の変化、そして自分自身の思考の変化。そして見えてくる新しい世界。「人生を変えたいなら、3つの【間】を変えよ」という言葉を聞いたことがある。時間・空間・人間。時間は生活習慣に沿ったタイムスケジュール、出勤時間や趣味への時間配分もそれに含まれる。空間は生活する環境、家、職場。人間はそのまま人間関係、職場の同僚や友人。これらを変えることで自分を取り巻く全てが変わり、見える世界が変わる。そしてその場にいる自分も変わる。そして私はどうなったか。おかげさまで、つい先日私は古い私を殺して新しく生まれ変わりましたことをここでご報告いたします。ついに、爆誕しました。新しい私。その名もネオ・ヒトミ五所尾であります。
以前、物件探しの際に見ていただいた占い師さんがこう仰っていた。「これからは楽しいことしか考えてはいけないステージです。頑張ったらマイナスポイントになります。頑張れば頑張るほど、よくなりません。」その際は頑張らないことを頑張った。「戦う人生をやめてください」と言われた。いつも誰かを敵に見立てて、その相手を攻略することを目標にして自分の尻を叩いてきた。そうしてスキルアップしてきたし、正直なところ、その習慣はなかなか抜けないもんだな、と思った。「頑張らない」をするためにいただいたアドバイスを聞き、真面目にそれをやった。おかげでとても楽になったし、物件は出てきたし、サロンは無事にオープンした。だが、自分の中では実は「戦う人生」がずっと続いていた。
自分を切り捨てよ
目の前に幸福があるのに、それを自分に許さない自分。自分に幸せを与えようとしない自分。約2年間、サロンオープンに向けて虎視眈々と水面下で準備してきた沢山のことを「そんなことは大したことない」と認めない自分。サロンがオープンしても「私が作ったんじゃないし」「できたばっかりでここから続くかどうかわからんし」といって頑なに認めない自分。自分自身をいつも斜めから厳しくチェックして、批判する自分がいた。うっすらと感じてはいたけど、ある日のパートナーとの口喧嘩の中で認めざるを得なかった。いつもいつも戦っていたのはもう一人の自分だった。自分が自分のことを幸せにしようとしない。自分を認めたがらない。その理由はなんとなくわかっていた。幼少期からあるコンプレックス。コンプレックスの内容が問題なのではない。大抵、そんなものは他人からしたらどうでもいいこと。問題はコンプレックスがあることで「こんな自分が幸せになれるわけない」と思い込んでいたこと。そして生きてきた中で少しずつ傷ついてきた傷の蓄積。私には反抗期が無かった。髪を染めたりはしたが、親に噛み付くことも家出することもなく割とまっすぐに生きてきた。成績もそこそこ優秀、友達とトラブルこともない。だが、気づいた。反抗期が無かったというより、自分の好き勝手に振る舞って親を悲しませたくなかったのだ。自分の中で抱えていた傷を葛藤を周りにぶちまけることで周りを傷つけたくなかった。私のために混乱させたくなかった。でも心に溜まりゆくドロドロとしたものを吐き出す方法もわからなかった。それに気づいた時、何もかもが腑に落ちた。どうしてたまにどうしようもなく暴走するのか。どうして両手放しでやったー!と喜びきれないのか。どうしていつまでも自分を幸せにしないのか。
何もかもがはっきり見えた。
そして、決めた。
「そうだ、自分を切り捨てよう。古い自分を殺してしまおう」
切り捨てる、殺してしまう、という過激な言葉をあえて使うのは、そこにそれだけの勢いがないと負けてしまうからだ。人間は習慣の生きものだから気を抜くとすぐに慣れ親しんだ思考回路で考える。愛のある人は愛のある選択をするし、孤独を好む人は孤独になる選択をする。人間の普段の行動はほぼ無意識で行われているのだから、習慣を変えるときはブッチ切って変えなければすぐに戻ってしまう。思考の習慣は無意識が強い。自分で勝手に作り出した悪しき習慣。誰が悪いのでもない、自分が生み出した【孤独な自分】を消し去るには、並の気持ちでは消し去れない。でも、消し去りたい。私は欠陥だらけの人間だ。どうしようもないところがビックリするくらいありまくる。でも、変わりたい。取り戻したい。【孤独な自分メイドイン私】を作り上げる前の自分に。自分を変えたい。普通にしてたら自然に悪い方に行くのだが(悪気はない)、それでも、こんな自分でも悪しき習慣を切り捨てて軌道修正をかけ、自分が目指す人間に少しでも近づきたいと思う。これからもどんどん悪い自分は絞め殺して過去においていき、何度でも新しい自分になりたいと思う。自分が愛するものをしっかりと愛せる人。自分の弱さや愚かさから逃げない人。大切なものを守れる強さのある人。生きている間にそんな人間に少しでも近づきたいと思う。
そしてこんな私に正面から思いっきり刃を突きつけ、命をかけて挑んでくれる人達に愛を渡したいと思う。
ありがとう。愛しています。
これからもずっと。
Life is wonderful.
0コメント